交通事故で負傷した患者を適切な医療機関へ転送しなかったために死亡した件
福井地裁 平成28年3月23日 判決
事件番号 平成25年(ワ)第244号
自動車同乗中に事故に遭った患者が、病院に搬送され、意識レベル清明、握力もあり、両下肢を動かせること、腹部が平坦でやわらかいことなどが確認され、整形外科に転送されたが、容体が急変し、死亡した。
原告は、患者が死亡したのは、適切な医療機関へ転送すべき注意義務を怠ったためだと、損害賠償の支払いを求めた。
裁判所は、転送義務を怠った過失を認め、転送義務を尽くしていれば、死亡した時点において生存していたであろう高度の蓋然性を認めることはできないが、その時点の死亡を回避できた相当程度の可能性はあったとして、慰謝料約220万円を認めた。