抗てんかん剤投与の中止後に誤嚥性肺炎を発症、転院させる義務を怠ったため死亡したとした件
鹿児島地裁 平成29年5月19日 判決
事件番号 平成27年(ワ)第597号
抗てんかん剤を処方されていた患者に脳梗塞が認められたため、投与が中止されたが、けいれん発作によりベッドでうつ伏せ、下肢がベッドからずり落ちているのが発見された。痰が絡み、頻脈、頻呼吸、SpO2は70%まで低下していた。その後、誤嚥性肺炎と診断されたが、患者は死亡した。
裁判所は、抗てんかん剤の投与を中止した過失、肺炎と診断した上で転院させる措置をとらなかった過失が認められるとし、転院措置をとらなかった過失と患者死亡との因果関係を認め、死亡慰謝料として1,700万円の支払いを命じた。