出生直後のカンガルーケア実施中に心肺停止,重篤な後遺症が残存した事例
新生児が,出生直後のカンガルーケア実施中に心肺停止に陥り,重篤な後遺症が残存した事例
松山地裁 平成28年1月20日判決
事件番号 平成23年(ワ)第1337号
新生児が,出生直後のいわゆるカンガルーケアの実施中に心肺停止に陥り,その後,重篤な脳性麻痺による後遺症が残存するに至ったことに関し,患者並びにその父母が,病院ないしその職員が,①カンガルーケアの開始に先立って適切な説明をせず,②新生児の低血糖に対する適切な処置をせずに,いったん中断されていたカンガルーケアを再開させた上,③再開後のカンガルーケアについて適切な経過観察をしていなかったと主張して,病院側に対し,診療契約上の債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償を求めた事案である。
裁判所は,いずれも病院ないしその職員に債務不履行ないし過失があったとは認められないとして患者側の請求を棄却した。