子宮脱の治療のために手術を受けた患者が,肺血栓塞栓症を発症し後遺障害が残った事例
子宮脱の治療のために手術を受けた患者が,肺血栓塞栓症を発症し後遺障害が残った事例
東京地裁 平成23年12月9日判決
事件番号 平成21年(ワ)第37543号
本件は,子宮脱の治療のために手術を受けた患者が,肺血栓塞栓症を発症し後遺障害が残ったのは医師らの過失によるものであるなどと主張し,病院に対し,不法行為又は債務不履行に基づき損害賠償を求めた事案である。
裁判所は,医師には,静脈血栓塞栓症発症の予防に関し注意義務違反があり,患者は,上記注意義務違反により,弾性ストッキング法又は間欠的空気圧迫法が実施されていれば,肺血栓塞栓症が発症せず,後遺障害が残らなかった相当程度の可能性を侵害されたものといわざるを得ないとして,患者側の請求を一部認容した。