2歳1か月の男児,横隔膜ヘルニアを原因とする呼吸不全で死亡したことにつき,転送先の選定に関する義務違反があったとして損害賠償を求めた事例
当時2歳1か月の男児が,横隔膜ヘルニアを原因とする呼吸不全で死亡したことにつき,転送先の選定に関する義務違反があったとして損害賠償を求めた事例
さいたま地裁 平成26年5月29日判決
事件番号 平成23年(ワ)第3573号
本件は,当時約2歳1か月の男児が,被告病院を受診し,診察した医師によって小児病院へ搬送されたが当該搬送中に心肺停止し,さらに小児医療センターに搬送されたものの,その後まもなく横隔膜ヘルニアを原因とする呼吸不全で死亡したことにつき,男児の遺族である原告らは,被告病院医師には,実際の経過より早期に男児を小児病院ではなく小児医療センターへ転送すべき義務があったところ,同義務に違反したため男児が死亡したとして,医師を雇用する被告に対し,債務不履行責任もしくは不法行為責任に基づき,損害賠償を求めた事案である。
裁判所は,医師には原告らが主張する過失は認められないとし,本件請求はいずれも棄却された。