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再生不良性貧血の治療において免疫抑制療法が行われていたところ,状態が安定しているとしてサンディミュンの投与が中止されたがその後状態が悪化,投与が再開されたものの肺炎により死亡に至った事例

再生不良性貧血の治療において免疫抑制療法が行われていたところ,状態が安定しているとしてサンディミュンの投与が中止されたがその後状態が悪化,投与が再開されたものの肺炎により死亡に至った事例

山形地裁 平成26年12月16日判決
事件番号 平成21年(ワ)第586号

 本件は,被告病院において再生不良性貧血の治療を受け,シクロスポリン(商品名・サンディミュン)等の薬剤を用いた免疫抑制療法が行われていたところ,状態が安定しているとして投与薬剤が順次漸減されサンディミュンの投与が中止されたが,その後に状態が悪化したとしてその投与が再開されたものの再生不良性貧血を原因とする肺炎により死亡するに至った患者の相続人である原告らが,被告病院の医師には,①サンディミュンの投与を中止した後,再生不良性貧血の症状の悪化が見られたことからサンディミュンを再投与すべき義務があり,②サンディミュン再投与を判断する前提として網状赤血球の値を検査すべき義務があったのに,これらを怠った過失によって患者が死亡するに至った,また,③サンディミュン投与中止に当たって必要な説明を怠った過失があり,亡患者の自己決定権が侵害されたなどと主張して,被告に対し,本件診療契約の債務不履行に基づく損害賠償を求めた事案である。

 裁判所は,サンディミュンの投与を中止した時点から1か月近く経過した時点,その後の病状が中等症の段階でサンディミュンを再投与すべき義務,サンディミュン再投与の要否を判断するために網状赤血球の数値を検査すべき義務があったとは認められないとし,また,原告らが主張するような内容の説明義務までは認めることができないとして,原告らの請求をいずれも棄却した。

 



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