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左耳の突発性難聴の治療のため入院した患者が,ステロイドパルス療法の実施を誘因としてDKAを発症し,その後心不全により死亡した事例

左耳の突発性難聴の治療のため入院した患者が,ステロイドパルス療法の実施を誘因としてDKAを発症し,その後心不全により死亡した事例

神戸地裁 平成21年6月30日判決
事件番号 平成16年(ワ)第2742号

 本件は,左耳の突発性難聴の治療のため被告病院入院した患者が,その後心不全により死亡したことについて,亡患者の相続人である原告らが,患者が死亡したのは,被告病院医師らが,突発性難聴の治療のためのステロイドパルス療法においてステロイドを適切に使用すべき注意義務を怠り不用意に大量投与したために,糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)を惹起させたにもかかわらず,その発症を疑い適切な治療を行うべき注意義務を怠った上,さらに,DKAが引き起こした甲状腺クリーゼ及び低カリウム血症に対しても適切な治療を行うべき注意義務を怠った結果,致死性不整脈が引き起こされたことによると主張して,上記医師らの使用者である被告に対し,不法行為の使用者責任に基づく損害賠償を求めた事案である。

 裁判所は,本件において,血糖コントロール不良状態にあった亡患者に対し,ステロイドパルス療法を開始したために,亡患者はDKAを発症し,これによる低カリウム血症及び甲状腺クリーゼが亡患者の循環状態を致命的に悪化させた結果,心不全によって死亡するに至ったものであり,被告病院医師の過失と患者の死亡との間に因果関係が認められるところ,亡患者は,突発性難聴の治療のために被告病院に入院してわずか4日で急死するに至ったこと等,一切の事情を総合考慮して,死亡についての慰謝料,逸失利益等相当額を認容し,その余は棄却した。



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