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松果体腫瘍摘出術後に高次脳機能障害が残存した件

最高裁小法廷 平成28年7月19日判決

事件番号 平成26年(オ)第1476号

松果体腫瘍等と診断された男性が摘出術を受けた。腫瘍が血管に強く癒着していたため、亜全摘のまま止血措置をし、手術を終えた。その後、血腫が認められ、2度の血腫除去術が行われたが、高次脳機能障害が残存した。

患者は、術後に出血の兆候が出現した時点で頭部CT検査を実施すべき注意義務を怠ったために後遺症が残存したとし、仮に因果関係が証明されないとしても、相当程度の可能性を侵害されたとして損害賠償を請求したが、第一審(地裁)はこれを却下した。控訴審(原審)では、病院に対して1,100万円の支払いを命じたが、これを不服として上告した。最高裁は、控訴審の判断には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、敗訴部分は棄却を免れず、そして患者の請求を棄却すべきものとした地裁判決は、結論において是認できることから、控訴を棄却した。



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