メニエル氏病と診断され左肘内側に薬剤の静脈注射がされたところ,左正中神経障害等の後遺障害が生じたとして損害賠償を求めた事例
岡山地裁 平成23年6月14日判決
事件番号 平成17年(ワ)第153号
本件は,被告医院においてメニエル氏病と診断された患者が,同医院医師の指示で看護師により左肘内側に対してメイロンとメチコバールの静脈注射がされたところ,注射針の刺入により正中神経が損傷し又はメイロンが静脈外に漏出したため,左正中神経障害,カウザルギー,左肘痛等の後遺障害が生じたとし,また,それは上記医師及び看護師の義務違反によるものであるとして,被告医院に対し,債務不履行若しくは不法行為(代表者又は被用者の加害行為)に基づき,損害賠償を求めた事案である。
裁判所は,本件において,被告医院医師及び看護師の行為に義務違反があるとまではいえず,被告医院に債務不履行責任及び使用者責任を問うことはできないとして,患者の請求をいずれも棄却した。