不安定狭心症を疑い、心電図検査を実施すべきだったのに、これを怠ったなどとして、損害賠償を求め控訴した事例
札幌高裁 平成30年4月26日判決
事件番号 平成29年(ネ)第246号
患者が胸やけや痛みがある旨を訴え、心電図検査及び上部消化管内視鏡検査を実施し、胃炎及び逆流性食道炎の所見から薬を処方したが、帰宅後胸痛を訴え再度来院し、レントゲン検査及び心電図検査を実施したが、痛みが治まらず同日意識が消失し、死亡した。
このため原告らは医師が心電図検査を怠った過失があると主張し、損害賠償の支払いを求めたが、原審が請求を棄却したため、これを不服として控訴した。
裁判所は心電図検査を行っていれば、設備の整った病院への転送が行われ、必要であれば、PCI等が実施され、心肺停止に至らなかった可能性が高いとして、原判決を取り消し、4060万円の支払いを命じた。