血友病患者である可能性が高い胎児に対して、吸引分娩を行った結果、頭蓋内出血が生じて後遺障害が残った件
血友病患者である可能性が高い胎児に対して、吸引分娩を行った結果、頭蓋内出血が生じて後遺障害が残った件
大阪地裁 平成28年5月27日判決
事件番号 平成26年(ワ)第1822号
血友病Aである可能性が高いことを出生前から認識できていたにもかかわらず、吸引分娩を行ったため、頭蓋内出血が生じ、軽度の発達障害、発語・言語障害等の後遺症が残った。
裁判所は、血友病の可能性がある胎児の吸引分娩の適応の基準が確立していたとは認められないため、直ちに吸引分娩の適応に反するものであったとは言えないとし、また、その後の頭蓋内出血についても、頭蓋内出血を強く疑うことができたとは言えないことから、注意義務違反等はないとし、請求を棄却した。