早期胃癌で胃切除手術を受けた後に敗血症性ショックによる多臓器不全により死亡した事例
早期胃癌で胃切除手術を受けた後に敗血症性ショックによる多臓器不全により死亡した事例
東京地裁 平成23年3月30日判決
事件番号 平成20年(ワ)第33106号
本件は,早期胃癌について胃切除手術を受けた患者が,術後に敗血症性ショックによる多臓器不全により死亡したことにつき,被告病院の担当医師らには,バンコマイシンを投与すべき義務があったにもかかわらず,これを怠った注意義務違反があり,これにより,患者が,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(以下「MRSA」という。)に起因するMRSA腸炎を主病因とするMRSA敗血症等による多臓器不全により死亡したとして,死亡した患者の相続人が,損害賠償を求めた事案である。
裁判所は,被告病院の担当医師らの注意義務違反と患者の死亡との間に因果関係を認めることは困難であるとして,これを棄却した。