食道がんの手術後,ウェルニッケ脳症を発症,後遺障害が残った事例
食道がんの手術後,ウェルニッケ脳症を発症し,後遺障害が残った事例
名古屋地裁 平成28年7月15日判決
事件番号 平成25年(ワ)第5593号
本件は,ダヴィンチ手術による胸腔鏡下食道亜全摘術等を受けた患者が,ウェルニッケ脳症を発症し,後遺障害が残ったことについて,医師には手術後にビタミンB1を含む輸液を投与しなかった過失があると主張して,病院に対し,債務不履行又は不法行為(使用者責任)に基づき,損害賠償金1億8404万1131円のうち1億6652万3678円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた一部請求の事案である。
裁判所は,本件ビタミンB1不投与と患者の症状及び後遺障害等との間には相当因果関係が認められるとして,相当損害額(約1億2千万円)の支払いを認めた。