椎弓形成術実施後に重篤な後遺症が残った件
椎弓形成術実施後に重篤な後遺症が残った件
東京高裁 平成28年9月7日 判決
事件番号 平成28年(ネ)第2380号
変形性頚椎症の患者が,椎弓形成術,神経根減圧開窓術を受けた。術後,左上肢・下肢機能の全廃,右上肢・下肢機能の著しい障害のほか,体幹の障害が著しいため,座位をとることができないと診断された。
地裁は,医師らの手技上の過失により脊髄損傷を生じさせたと認めることはできないが,術前に脊髄損傷による重篤な麻痺が生じる可能性について説明しなかった違反があり,これにより患者の自己決定権が侵害されるものと認められるとし,慰謝料300万円等を認めた。高裁も同様の判断をし,慰謝料300万円,弁護士費用30万円を認めた。