肺動脈形成術を受けた際,医師の過失により入院期間が延長,後遺障害が発生したとして損害賠償を求めた事例
肺動脈形成術を受けた際,医師の過失により入院期間が延長し,後遺障害が発生したとして損害賠償を求めた事例
津地裁四日市支部 平成27年6月24日判決
事件番号 平成24年(ワ)第199号
本件は,患者(当時1歳9か月)が,被告病院において,肺動脈形成術を受けた際,医師の過失により,術中投与されていたカテコラミン製剤(昇圧剤。以下「カテコラミン」という。)がロック付きシリンジ(以下単に「シリンジ」という。)と三方活栓の接続部から漏出し(以下「本件事故」という。),これにより患者の入院期間が延長し,後遺障害が発生したと主張し,被告に対し,債務不履行に基づく損害賠償を求めた事案である。
裁判所は,被告病院の医師等には,F製シリンジとG製三方活栓を接続した上で,カテコラミンが漏出しないか事前に安全性を確認する義務を怠った過失があるとしたが,後遺障害については,本件事故により,本件事故以前よりも言語理解が低下したということはできないとした。そして,本件事故と因果関係がある入院期間は64日間として,請求を一部認容したが,その余の請求は棄却した。