子宮体がんによる子宮全摘手術を受け,その後の2回目の抗がん剤治療でパクリタキセルの投与を受けた直後,ショック症状を起こし死亡した事例
子宮体がんによる子宮全摘手術を受け,その後の2回目の抗がん剤治療でパクリタキセルの投与を受けた直後,ショック症状を起こし死亡した事例
大阪地裁 平成25年2月27日判決
事件番号 平成22年(ワ)第15953号
本件は,被告病院において,子宮体がんによる子宮全摘手術を受け,その後の2回目の抗がん剤治療のため入院し,パクリタキセルの投与を受けた直後,ショック症状を起こし死亡した患者の相続人である原告らが,患者が受けた抗がん剤治療に関し,被告病院の医師に説明義務違反,抗がん剤投与回避義務違反,経過観察義務違反等があったなどと主張して,被告病院及び担当医らに対し,損害賠償を求めた事案である。
裁判所は,抗がん剤治療を受けるか否かを検討するに当たって,一般的な患者であれば必要と考えられる程度の説明はされているのであり,上記程度の説明で医師としての説明義務は尽くされており,説明義務違反があったとはいえないとした。また,パクリタキセルの再投与を回避すべき義務があったとする原告らの主張を採用することはできないとし,被告病院の医師において自ら病室に在室し,経過を観察すべき義務も認めることはできないとして,原告らの請求をいずれも棄却した。